彩華について

ブランドコンセプト

日本の素晴らしい伝統工芸を時代の同期を図る事により、必要とされる道具としてこだわりある工芸品を製作します。
彩華-SAIGA-の全ての商品は、作家や匠による手作りにこだわっており、価値ある芸術作品として本物の日本伝統工芸をお客様に提供し、お客様と作り手が共に日本の工芸文化の価値観を共有していけることを願っています。

ロゴマークは、家紋の加賀梅鉢をモチーフに作成した梅の花です。

彩華のロゴ

開発ストーリー

我々は「株式会社マリブデザインファクトリー」という石川県小松市のデザイン事務所ですが、長年地元で活動している中で、バブル経済をピークに1/3にまで縮小してしまった伝統工芸の市場規模を懸念し、デザインの力で協力できればと考えこの彩華プロジェクトが始動しました。
商品開発にあたり、我々デザイナーが専従者のマーケットを奪うようなことをしてはいけないと考えて取りかかりました。そして確実に販売額を増やすことを検討し、既存のお皿などのテーブルウェアと置物のインテリアのマーケットは避けて着手しました。その結果、到達した最初の答えは「スポーツ市場」のゴルフなどで使用する「ボールマーカー」でした。機能面でも優れており防水性が高く耐腐食性能に優れている事でした。
次に我々デザイナーがクリエイターである九谷焼作家に図案の指示を出すのは、作家の人権を無視することに繋がると考え、いっさい図案のデザイン指示はしませんでした。全て各作家の創作によって製作されています。するとスポーツアイテムと言うこともあって、普段とは違うチャレンジ的な図案も中には入れていただいています。
そして我々はこの素晴らしい作品を生かすために、周辺パーツについてもこだわる必要性がでてきたので、地元のこだわりある金属加工業に依頼し加工の難しいステンレスで小さなパーツを製作していただきました。もちろん簡単には完成せず、いろいろな可能性を探りながらのせいさくになりました。そして使用している磁石も品質と保磁性を考え「ネオジム磁石」というレアメタルをチョイスしました。
これらの活動をしている中で、地元の行政の支援も受けることにつながりました。
「小松ブランド」認定、「石川プレミアムブランド」認定、「いしかわ産業化資源活用推進ファンド」の支援などの後押しを受けて開発にさらにテコ入れされました。
最終的に完成した商品は、伝統工芸では皆無であったスポーツ市場の販路開拓に繋がり、確実に市場を広げることに成功し、今も少しづつ販路が広がっているところです。

結果的に我々は、作家にお願いしたのは売るために「売れる図案は何か」と市場性を少しだけ考えていただきました。そしてコピー商品を防ぐ為にも多種類の図案をお願いした結果200種類を超える図案になりました。さすが創作者のバイタリティー豊かな作品になりました。

彩華の願い@メッセージ

日本人のアイデンティティである重要な文化、伝統工芸の価値観を持っていただければ幸いに思います。できれば転写(プリント)などで模倣の絵を付けられた工業製品では無く、作家の絵付けによる本物の伝統工芸を使っていただける事を願っています。
また、作家それぞれに個性的な画風がありますので、お客様に合う作家と図柄に出会える事を願っています。

九谷焼の歴史

九谷焼は石川県南加賀周辺で創作される陶磁器です。現在「古九谷」と呼ばれている世界的に評価の高い色絵磁器が、その原点だといわれます。

江戸前期の「古九谷」の窯が突如閉じられてから約100年後、南加賀の各地で築窯が相次ぎました。江戸後期「再興九谷」の時代の幕開けです。古九谷の再興を目指した吉田屋窯、赤絵細描画の宮本窯、金襴手の永楽窯など、様々な作風が打ち立てられ、それらが今日の九谷焼の源流となりました。
明治になり、九谷庄三の描く豪華な「彩色金襴手」の九谷焼が大量に海外に輸出され、「ジャパンクタニ」の名で人気を博しました。その後、日露戦争による陶業の一時停滞で、かえって陶工たちの独立機運が高まり、陶芸家の時代へと移り変わっていきました。今日の九谷焼は、各時代の上絵付けの作風を踏まえながら、陶芸家一人一人の創意工夫により、日々新たに制作されています。

2種類の九谷焼 -金もの、銀もの-

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九谷焼には2種類のランクに分けられています。

石川県産の素地に九谷焼産地で可飾したピュアな九谷焼の金ものと、県外産の素地に九谷焼産地で可飾した九谷焼の銀ものの2つのランクがあります。彩華-SAIGA-はもちろん「金」ものになります。花坂陶石で産地の木田製陶所で素地が成形され、九谷の作家による絵付け(可飾)になります。

最近、お土産物屋で目にする安価な九谷焼と称した商品が発売されていますが、県外産の素地に絵柄を作家の作品から模倣(コピー)した倫理的に許しがたい商品が販売され、産地でも大きな問題になってきています。地元の手がまったくかかっおらず、絵付けはプリント(転写)で付けられており、言い換えれば工業製品と化した九谷焼が多く出回っていますので、お気を付け下さい。

九谷焼は伝統工芸品です。工業製品と工芸品は同じカタチをしていても価値が全く違います。工業製品は購入した時点で価値がゼロになります(言い換えればお隣の国の人も同じものを作る事ができます。)。それに対し作家が作陶した美術工芸品は価値が維持し続けます(もちろん同じものは存在しません)。
もし大事な方に贈り物をお考えの際は、その辺りを良くご確認のうえご購入していただく事をお薦めします。そして日本人としてこの尊い文化や価値観を共有していただければ幸いに存じます。

手作りの証

九谷焼作家の手作業でひとつひとつ創っている証をご覧ください。まずこちらの画像は同じ絵柄での比較です。微妙にラインに違いがあるのがご覧いただけます。この絵付けに九谷焼作家の息づかいが伝わってきます。

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次にこちらの画像はマーカーの肩が落ち込んでいる外周の絵付けが可能なぎりぎりにまで絵付けを施している匠のこだわりがここに現れています。また、斜めから見ていただくと確認できますが、九谷焼の特徴である盛り絵の凹凸が見えます。絵柄が立体的な表現になり絵柄のダイナミックさが強調されます。

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作家の個性

作家の個性サンプル

九谷焼作家はそれぞれオリジナルの色の調合を持っています。その違いが作家自身の個性の一つです。こちらの画像は似たような桜の図柄で比較しています。

左が北村和義先生で右が越田秀平先生のマーカーです。ご覧の通り同じような絵柄でも全く違う雰囲気で表現されています。同じ桜の花びらのピンクでも微妙に色が違っています。もちろん色使いも作家自身の創意工夫による賜であり、表情豊かな九谷焼の持ち味に繋がっています。左の北村先生は呉須(ごす)で線を入れていますが、右の越田先生は水金で線を入れてあります。また両方に白い部分にも白の色絵を入れ盛られており、立体感が出ています。このように、手を抜かずに創作されており、この小さなキャンバスでも無限の表現に繋がっています。この作家のこだわりに満ちた本物の九谷焼を是非、手にとって見てください。作品と呼べる商品になっていることをご確認いただけます。

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金属パーツのこだわり

手作業による仕上げ

彩華は、九谷焼の陶板の品位を落とさぬよう、金属パーツにもこだわりを持って製作しております。
県内の金属加工業者の職人の手により細部にわたりていねいに表面処理をされた金属パーツは、非常になめらかな手触りで美しく輝きます。

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